サービス業の闇と私の悲しい性
さあ今年も残すところ僅かです!
「今年の汚れ今年の内に」ではないですが、今回は長年サービス業(主に接客業)に従事している私が、2年近くコロナ禍が続いている中で感じたガス抜きブログです。
※あとから読み返すとかなり文章が長いうえに、結構怒っているなぁと思いますが、正直にお伝えしたかったのですいません。
ただ、あくまで内容は経験に基づく個人的見解なのであしからず。
では本題に入ります。
さて、みなさん接客業にどんなイメージをお持ちですか?
「笑顔でお客を迎え入れていればいいし、とても楽そう」
「接客だけやっていればいいし、とても簡単そう」
「食事を出したり、物を売ったり、チェックインしたり、すべてが受け身だし、専門知識もいらないから誰でも出来そう」
今まで全く接客に携わっていない方からすれば、このようなイメージもあるのではないでしょうか。
まあこれは半分正解で、半分は不正解です。
正解と言える根拠は、まず「門戸が異様に広く、就業しやすい!」。
だから、学生のアルバイトでもすぐに仕事が出来る上に、あまり専門知識がいらない等、とにかく始めやすい仕事です。
不正解の根拠は、社員として働くのであれば非常にブラックな側面がある事です。
通常の接客義務にプラスして、様々な事務作業が出てきます。
スタッフ管理、店舗の運営管理、管理や運営するにあたっての行政関係への提出物の作成や、原価管理、売上管理、報告書などの資料作成、さらに取引業者との折衝業務や新規開拓業務、取引先との関係性の構築。
そして経営層でもないのに、「店舗運営は経営者と同じだ!」という無茶な理由から管理職として扱われ、安い基本給にある程度の役職手当が上乗せされ、いくら勤務超過になろうとも残業代は一切出ません。
一般社員の間はただ現場で働いていればいいいので、特に責任も何もないのは事実ですが、接客業の管理職は非常にやることが多く、サービス残業をしている店長、マネージャーは世の中に数多く存在します(今の会社にはいませんが、過去には部下に対してサービス残業を強要する会社も多々ありました)。
門戸が広い分、あきらかに接客には向いていないなという人材も採用しなければ店舗が回らないため、仕方なく採用する場合も多いですが、結局そういう人は無断欠勤や遅刻等を当たり前のようにします。
そしてそれがすべて責任者に跳ね返ってきます。
そうなると自身の通常業務にプラスして、店舗のオペレーション業務もこなさないといけなくなり、過労死レベルの拘束時間になる人も多いです。
門戸が広い=通常では考えられないくらいの感覚のズレた人たちを管理しなければいけないのです。
幸いにも私が飲食やホテルで現場にいる頃は、最悪でも日に3時間程度の残業で済む事が多かったですが、酷い人は早朝から深夜まで店舗にいる場合もあります。
私がなぜそれを回避することが出来たかというと、ただ単にそんな会社の時はとっとと見切りをつけて転職するからです。
皆さんご存知かどうかは分かりませんが、接客業界に携わる人間って、言い方は悪いですが、性根の腐ったクソみたいな人たちの集まりです。
パワハラやセクハラは当たり前で、昔の体育会系的なノリが多く、やたら威張っている割には能力も低く、気に食わなければこれでもかと言わんばかりに平気でいじめますし、自頭が悪い人間が多いです。
自分の能力が低いから、劣等感を抱き、保身のために少しでも自分より上に行きそうな人を、潰していこうとします。
接客が好きだから入社したのではなく、新卒でどこにも引っかからなかったり、中途採用で致し方なく入社した連中も数多くいます。
もちろん中には、人間性がしっかりとした上に、自頭が良い人もいます。
ただ、そういう人は非常に少数派なのは間違いありません。
そして経営層は現場経験が全く無い、一部上場企業出の異業種の人ばかりです。
要はサービスを受ける側の人間が、サービスを提供する人間を支配するということです。
そんな方たちに現場の苦労など分かるはずもなく、現場経験もないまま机上の空論で物事を決断するため、現場はさらに苦労を強いられます。
常に会社は右肩上がりに成長していくと思い、毎年毎年予算は高くなるばかり。
株主や銀行筋の顔色ばかり伺って経営するため、現場の人員はどんどん減らされ、高い予算をクリア出来るはずもないため、ただでさえ民間と比べて安い賞与は減るのみ。
この業界は、素直に現実の状況を冷静に見ることの出来ない人が多すぎます。
ここで正直に告白します。
「私は接客は好きですが、接客業界は大嫌いです!」と。
一見矛盾していますが、私は売れませんでしたが元役者です。
自分に関わる人たちを楽しませようという気持ちは根底にありますし、自分で言うのも何ですがサービス精神も旺盛ですし、困った人を見捨てることも出来ません。
ですので、お客様対応は当たり前として、現場のスタッフたちにも楽しく仕事が出来る環境になるように心掛けています。
私自身も接客業を最初は完全になめていましたが、そこは以前お話したサービス業の師匠とも言える方にお会いしたことで、私は改心致しました。
現在は飲食業界も人手不足、ホテル業界は施設の供給過多で売上が伸びずと、明るい材料は何もありません。
飲食に至っては、緊急事態宣言下で従業員をクビにしておきながら、またお客が戻って来た途端に「人が足りないから、困っている」などと言っていますが、それは従業員を大事にしてこなかった証拠ですし、あくまで自業自得だと思います。
「時給を上げても人が来ない!」なんて言っておりますが、後悔先に立たずです。
それだけ時給を上げられる余力があったのなら、なぜスタッフがいる間に国からの支援金や補償制度なりを利用してフォローしてあげなかったのですか。
それが一番の原因ということに何で気づかないのでしょう。
驕り高ぶる人が多い、この業界を現す出来事だと思いました。
この業界にいながらいつも思う事は「世の中の仕事のヒエラルキーの最下層にあるだけに、経営者以外は金銭的にも人としての扱い的にも酷いことしかない!」という事です。
悪いことは言いません。
下記の理由以外で接客業に就きたいならば絶対に止めるべきです!
例えば将来的に独立したいから接客の基本を習得したいとか、学生時代のみのアルバイトで等、期間が決まっているならいいと思います。
言っちゃ悪いですが、この仕事は何のつぶしも全くききませんし、今後技術が進歩していけばAIに取って代わられることは必至の業種です。
そして何より年々クレームの内容も複雑化してきてますし、自分が悪いのを棚に上げ、サイト上でウソをでっち上げ、点数を一番低い点にした上に、本社に対してお詫びを求めてくる輩が増えたのも事実です。
先日も一生懸命仕事を頑張っていたあるスタッフが「僕が悪い訳ではないのに、どうしてここまで怒られる必要があるのですか?」と言い、退職したい旨を支配人に伝えて来たそうです。
要は日々の接客で段々と心が折れたのです。
そのスタッフは私も良く知っておりますが、非常に笑顔も爽やかで、性格も穏やかで真面目な青年です。
私が接客業を始めた頃は、誠心誠意つくしていれば、お客側もあまり無茶な要求などはしない時代でしたし、嘘も方便ではないですが、ある程度は嘘もつきながら対応する事が出来ました。
それが時代の進歩とともに、どんな情報でもスマホがあれば簡単に検索出来る時代になったため、下手なウソはつけません。
そして何よりもイヤな面は、簡単に調べられる時代になったからこそ、自分自身の頭で考えて行動出来ないお客が増えてきました。
あるテレビ番組で「今日誕生日や記念日なんです!と言えばホテルがケーキを用意してくれます!」のような情報を流せば、実際にそれを信じて実践するお客が沢山現れますし、情報過多の時代になった途端、お客側も完全に思考が停止しているとしか思えません!
二人で6,000円程度の宿泊代しか支払わないのに、3,000円、4,000円するホールのケーキを用意出来ると本当に思っていますか???
ホテルにもランクは存在するんですよ。
一泊一人数万円のホテルと、一泊一人数千円のホテルで同じサービスを受けられると思いますか?と強く言いたいです。
また別の番組で「美味しい地元の店はホテルのフロントに聞け!」という特集が組まれます。
そうすると、すぐにフロントスタッフに聞いてくるお客がその放送以降に一気に増えます。
そしてスタッフが地元の有名店を案内した時には、決まって同じ台詞が出てきます。
「そうじゃなくて、穴場みたいな店を聞きたいんだよ」と。
先程も言いましたが、ホテルのフロントスタッフなんてヒエラルキーの最下層です!
※ちなみに以前は飲食業が最下層でしたが、ひとつ上の宿泊業と逆転して最下層となりました
だから手取りが10万ちょっとの人ばかりなんです!
給料が少ないため実家から通ったり、水筒や弁当を持参するスタッフばかりです。
そんな給料で気軽に外食出来ると本気でお思いですか?
出来るわけがありません!
そりゃ美味しい物もたまには食べたいと思うでしょうが、みんな欲しい物も買わずに我慢して生活しているんです。
日本も長年給料が上がっていないと言われますが、その通りです。
私が26年前に最初に入社した飲食チェーンの時の年収と今の年収はほぼ同額です(悲)。
一部を除き、大半の国民は長い間景気が悪く「いくら頑張ってもね。給料上がらないしね・・・」という不透明な社会の行く先に閉塞感を持っているのも関係しているのか、昔からすると非常にギスギスした世の中に今の日本はなっている気がします。
それが人々の心をどんどん狭めていて、そのはけ口が店員さんに向かっているような気がしてなりません。
その人の心に余裕が無いから、店員さんのひと言に対しすぐに揚げ足を取ったり、平気で土下座を強要したりとめちゃくちゃだと思います(土下座は強要罪というれっきとした犯罪ですよ!)。
ちなみに海外ではサービス業従事者と、お客は対等な関係がスタンダードな考え方です。
さらにチップの文化を持つ国も沢山あります。
ドイツなんかにいたっては、「閉店法」という法律まであり、ライフラインに大きく関わる店以外は日曜と祝日は完全に店を閉めてしまうなんていうこともしています。
そこまで徹底しなくても良いかと思いますが、お店が開いているありがたみと、あくまでお客と店員は対等だという文化は見習わないといけない部分かなと感じます。
日本はサービス提供は無料な上に、無理難題を押し付けられますし、同じ人権がある人間として酷い扱いを受けることも多いです。
そしてさらにさらに!
私が宿泊業に携わった18年前と違い、日本人だけではなく外国人までもが考えもせず、すべてホテル任せで行動する方も増えました。
「おもてなし」なんて発言した人たちも、考えてみれば普段サービスを受ける側の人たちばかりです。
昔は外国人の旅行客を見て「日本人と違って行動が受け身ではなく、自発的だなぁ」と感じていたのに、今となっては、、、。
まだまだ書こうと思えば、いくらでも書けますし、その他にもかなりダークなエピソードもありますが、ブログ用に軽いジャブ程度のエピソードを選びました。
こういった話を聞いてどうでしょうか?
それでも接客業に従事したいですか?
私なら全力で止めます!!
「じゃあなんでお前は続けているんだ?」と言われそうですが、私はある程度感が働く人間でしたし、リスクのある転職を繰り返してきましたし、何より前述したとおり「人を喜ばせたい」という気持ちが根底にあったからです。
普段から気が利く、感が働く、やるべきことの優先順位に迷わないという方であれば、ある程度の地位までは上り詰めることが出来るので、それなりの給料は得られるかと思います(それでも一般的にいえばかなり安いですが)。
それに全く当てはまらないなら、潔く他の道を探すべきです!
ただ、私は生まれ変わったのなら絶対に接客業には従事するつもりは一切ありません!
ここで少しサービス業という職種について触れたいと思います。
◇サービス業とは
サービス業というと、まずは頭に浮かぶのは接客業だと思います。
ただあくまでサービス業の中のひとつであり、辞書では以下のように説明しています。
物財の生産を主とする業種に対し、消費の対象となる役務を提供する業種。商業、金融、保険、宿泊、修理、医療・保健、教育、運輸、宗教、興行、調査・情報、小売り、飲食などの業種をさす。ほぼ第三次産業に等しい。サービス産業。
出典:日本国語大辞典
何が言いたいかといいますと専門職のサービス業と、小売り、飲食、宿泊のサービス業では雲泥の差があるということです。
人のために何か役に立ちたいというのであれば、頑張って専門職のサービス業を目指して下さい。
その方があなたの未来はまだ明るいし、スキルアップを図る事が出来ますよ!
「職業に貴賎なし」
私は社会に役立っているという面では、この言葉もありかと思いますが、差別のない世の中なんて存在しないので、接客業は他業種と比べて軽く見られているのは間違いありません。
話が逸れたので元に戻します。
最後に私の悲しい性のことです。
アルバイトも含め30年ほど接客に携わった私は、良く言えば「人当たりが良く見られる」、悪く言えば「完全になめられる」といった人間になりました。
スーツ姿で買い物をしていると、知らない人に商品の場所をよく聞かれますし、駅や道路でも知らない人から道や行き方をよく聞かれます。
別に聞かれることが辛いとも思いませんが、数多くの人が往来している中で私に声をかけてくるというのは完全に「店員顔」が染みついている証拠だなと感じます。
私がスーツ姿でよく言われる台詞は「あら!店員さんじゃないの」です。
※ちなみに店員じゃないのと言いつつも、なぜかそのまま私に聞いてきます
だから国籍問わず色々な人に、お店や駅、道端で話しかけられてしまうのです。
※ただなぜか変な勧誘は受けたことがありません。ありがたい!
でもそこは長年培ってきた悲しい性。
自身が初めて行った店でも「私店員ではないですが、、、」と言いながら一緒に商品を探してあげますし、初めて訪れた場所でも駅の行き方を聞かれれば、乗換案内のアプリを見ながら案内してあげます。
デパート、ホームセンター、ドラッグストア。
どこにいても店員と間違われる私。
それでも嫌な顔をひとつもせず、案内してあげられるという方であれば「接客の世界へようこそ!」と素直に歓迎します!
誰かがやらなければならない仕事なのに、もう少し優しい気持ちで見てあげて欲しいなと思いました。
※完全にやる気がない店員はもちろん別ですよ
最後までご覧いただきありがとうございました!