災い転じて福と為す!
前回、入社後の波乱についてお話させていただきましたが、それとは別にもうひとつ人的要因ではない災難が私に降りかかります。
それは社長に売上関係の事を教わっている時でした。
ホテル内にカップ麺専用の自販機が設置してあり、その設置した業者がすでに倒産したらしく、飲み物とは別のカップ麺の自販機は自社で買い取りしたため、その販売機だけは自社で管理をしていました。
かなり古い自販機だったため、扉の調子があまり良い状態ではありませんでした。
その扉を社長と悪戦苦闘しながらどうにか開けようと頑張っていました。
なかなか扉が開かず、社長が何か工具を持って来て、色々な方法で開けるのを試していた時のことです。
何か部品が落ちたようで、私がそれを拾おうとしゃがんだその時です。
社長「やった!開いた!」
私「え?。良かったですね。」
開けるのにかなりの時間を要し、やっと開いたことがうれしくて、思わずそのまま立ち上がったその時に事件は起こります。
開いた扉がすーっと販売機から私がしゃがんだ位置に来ていたのです!
「ガーンッ!!」
何か強い衝撃を頭に受けた私は、痛いというのと同時に頭頂部が熱くなっていました。
そしておもむろに頭を触ったのですが、なんと手が血でベタベタになっているではありませんか。
社長はまだ作業中で、お金の取り出し作業を行っていたのですが、お金を回収したあとに、私にこう言います。
「何かすごい音したけど大丈夫?」
私「大丈夫じゃないみたいです、、、」
どうやら扉の鉄板で頭を切ったらしく、ハンカチで抑えてもどんどん血が出てきます。
そして止まらない血はポタポタと落ち続け、私の白シャツまでもどんどん真っ赤に染めていく状態でした。
社長はその惨状を見て「・・・。シャツ買いに行く?」とだけ言いました。
拍子抜けしたものの。
私「行っていいですか?」
普段から非常に淡々とした方で、私の中では「病院行く?」が出てくると思っていましたが、まさかのシャツの方でした、、、(泣)。
その後シャツを買いに車で行きましたが、傍から見たら完全に返り血を浴びた殺人犯です。
「もしここで警察に職質受けたら、完全に人を刺したあと逃げている人だと思われるな」と運転しながら心で思います。
出来る限りジャケットでシャツ部分を覆い、赤く染まった部分を何とかごまかしながら(ごまかせては無いですが、気持ちの問題ですね)シャツを買いに行きます。
ジャケットを片手で手繰り寄せ、それを思いっ切り抑えながらレジでシャツを購入する私は完全に不審者です、、、。
そのままトイレで着替えを済ませ、血だらけになったシャツは後から清掃の方が驚きそうなのでそこでは捨てず、買ったシャツが入っていた袋に入れ持ち帰りました。
私「戻りました。」
社長「良かったですね。」
私の心の中「何が?良くはないですけどね」
血が固まったのか、その日本館へ行き仕事をしたのですが、仕事中は問題無かったものの、仕事の帰りに事件が起きます。
車通勤だったのでいつも通りに帰り道を運転し、ある交差点の赤信号で停まった時です。
急に頭から熱い液体が流れだし、私の目に入ります。
もちろん血です!
ただ運転中。
帰宅ラッシュのなか油断するわけにはいきません!
しばらく片手で頭をハンカチで抑え、さらに片目で運転し、ほどなくしてあるコンビニエンスストアに立ち寄り、そのままトイレに駆け込みます。
鏡を見た私は頭部がぐじゅぐじゅになっているのを見て、こう思います。
「傷が深いかも?」
その日のうちに社長に連絡をし、翌日病院に行ってから出社しますと伝えます。
社長「やはりだめでしたか、分かりました!」
(ダメと思っていたならその時に「病院行けば」と正直言って欲しかったですが、、)
私「すいません。宜しくお願いします」と言い電話を切ります。
翌日病院に行くと先生が「あぁこれは完全にパックリいってますね、縫わないとだめですね」と言い、人生で初めて3針縫う傷を負いました(ホッチキスみたいな器具で縫うのは正直びっくりしましたが)。
そんなこんなで翌日は頭に包帯ぐるぐる巻きで出社します。
午前中新館に勤務し、午後から本館に行ったのですが、その日勤務していたのが現在の妻です。
妻は私を遠目に見て「何で支配人は帽子被ってきたんだろう?」と本気で思ったようで、改めて近づいて挨拶した時に、ようやく包帯の存在に気付いたようです。
私の包帯姿を見て、笑っちゃいけないと思った時に笑ってしまう衝動に駆られる妻は、必死に笑いをこらえています。
それが分かった私は「〇〇さん。笑いたければ笑っていいよ」と言うと、楽になったのか「ははは」と笑い出し、「支配人包帯に似合わないですね」と言います。
確かに私は人よりも顔が大きめなので、何か違和感があるなと自身でも思っていたため、彼女に「やっぱり?」と言いました。
ふたりで思いっきり笑った事で包帯が緩んでくるのですが、その時彼女がこう言ってくれます。
「包帯私が巻き直しましょうか?」
私「やってくれるの。ありがとう!」
この出来事がきっかけで、互いに人見知りの私たちが打ち解ける事が出来たのか、その後妻と仕事以外にも色々なことを話すきっかけとなりました。
その出来事からしばらくして、旅行会社主催の宿泊商品説明会が長崎で行われました。
社長が私の他に1名連れて行っていいよというので、私は妻と仕事場以外でゆっくり話せるチャンスだと思い、ダメ元で誘ってみました。
会場はハウステンボスで、説明会終了後はハウステンボス内のホテルに無料宿泊でき、翌日は園内を無料で散策できるといった内容でした。
妻はハウステンボスが好きだったらしく「えー。私でいいんですか」と喜んでくれました。
福岡から長崎までは私の車で向かったのですが、妻から事前に車酔いしやすいと聞いていた私は念のために酔い止めの薬を購入して、当日迎えに行きました。
途中のSAに立ち寄った時の事です。
妻が「少しだけ気持ち悪いんです」と言うので、私が事前に購入した薬を差し出すと妻はびっくりしていました。
「私が言ったこと覚えてくれていたんですね、ありがとうございます!」と言い、薬を飲んでから再度向かいます。
薬を飲んだことでだいぶ楽になったらしく、その後はまったく酔う事は無く、目的地に到着します。
説明会後、食事会場に移動し食事を終えた私たちですが、光の王国というイベントを一般開放する前に、関係者向けにデモバージョンを見る機会が与えられました。
その光は非常に幻想的で、妻も非常に喜んでいました。
それから部屋に戻ります。
部屋はもちろん別々でしたが、その日は寝るまで私の部屋で色々なことを話しました。
翌日園内を二人で見て回り、そのあと帰路に就きます。
妻の自宅まで送っていった私は、この2日間非常に楽しかったなと思い、思い切ってデートに誘います。
妻といっている時点で答えはお分かりかと思いますが、もちろんOKでした!
何がきっかけでこうなれたのかと考えた時に、今の妻と付き合うようになったきっかけは私の頭の怪我だと思います(現に妻も、あの時包帯なんてろくに巻いたことがなかったのに、何で巻きましょうかと言ったんだろうと言っています。続けて何か自分もどこかで私に興味があったんだろうねとも言っています)。
入社してすぐに女性スタッフと波乱が起こり、その後すぐに3針縫うことになりましたが、怪我をした瞬間は正直落ち込みました。
ただ当時の私を振り返れば、その事がきっかけで妻と親しく話すようになり、悲観的にならずに済んだ気がします。
その時悲観的にならなかったからこそ、そのあとの幸せを掴む事が出来たのではないかと思います。
本日のタイトルにまつわる話でした。
本日も長い文章にお付き合いいただきありがとうございました!