ある男の幸せ追及と子育て日記

元役者で転職15回、結婚4回、50歳を過ぎて初子育てと、何かと波乱万丈な人生を歩んでいます。子育てや所感を中心に人生の幸せを追求していきます!

新天地での気持ちの変化~コールセンター哀歌~

 前回は、とあるコールセンターにて契約社員の女性と揉めてしまい、新たに別なコールセンターへ派遣されたところからこの話は始まります。

 

 まぁ前回は完全に契約社員の女性の術中にはまってしまいましたが、あそこに残ったとしても決して上手くいくとも思えませんでしたし、遅かれ早かれ揉めたのだと思えば諦めもつきます。

 

 じわじわとした嫌がらせって陰湿だし、本当に辛いですね。

 

 そんなこんなで新たな気分で別なコールセンターへ移った私でしたが、このコールセンターを経験する事で気持ちの変化が訪れます。

 

 そのコールセンターでの業務も管理者業務でしたが、今回の内容はある海外有名メーカーのリコール対応のコールセンターでした。

そのメーカーは誰もが知っている掃除機で有名なメーカーですが、リコール対象となったのは羽根のない温風と冷風が出るあの商品です。

 

 私は最初「リコールかぁ」と躊躇しましたが、前回起こしてしまった騒動もあったため、派遣会社にこの仕事を断る事が出来ませんでした。

ホテルもそうですが、クレーム処理は非常に神経を使いますし、何かひと言でも対応を間違えればやり取りが長引く事は必至ですし、収束するまでかなりの時間を要します。

 

 そしてクレーム対応で一番大切なのは一次対応がすべてといっても過言ではありません。

 

 私は管理者なので最初にオペレーターさんが対応し、その対応の仕方次第で私の対応が窮地に追い込まれる場合もあるので、オペレーターさんに私の運命を委ねているのと一緒なのです。

 

 研修内容は実に簡素化されており、商品の概要、今回リコールに至った経緯、お客様を対応するにあたり、その申し出内容による代替案の候補と何か全体的にふわっとしており、こんなんで大丈夫かなというような内容です。

 

  オペレーターは全部で50名ほど(その8割が女性です)。

ただ、1時間後にまた30名ほど出勤するので常時80名ほどいます。

 

 朝9時に第一陣が開始するのですが、どこからでも見れる大きなモニターがあり、まだ9時前の状態ですでに受電待ちの電話が100件以上待機状態です。

 

 さぁ開始です。

開始時間と同時にあちらこちらでオペレーターさんが話す声が響き渡ります。

電話は一向に鳴り止まず、待ちのお客様も大量に出てしまうほどです(コールセンターが繋がりにくいのはこういった要因が大きいです)。

 

 大抵のお客様は修理や、交換の条件のご提示で納得いただけるのですが、中にはそれ以上の事を求めて来られる方も多く、そこに当たったオペレーターさんは一挙に窮地に追い込まれます。

 

 そういったお客様の特徴は共通しており、下記5つ位が当てはまります。

①自身が大枚をはたいて購入した。

②高価な商品にも関わらず品質に問題があるとは何事か。

③高価な商品なのに修理、交換、返品に時間がかかる(あまり関係無いと思うのですが)。

④高い金を払ったんだから、自宅まで謝りにくるのが筋。

⑤高い金を払った人間に電話をさせておいて、電話がつながりにくい。

 

 このような方に限って、交渉の末に交換に応じたとしても、代替えの物がないとどうするんだと言い出します。

車は確かに代車がありますが、家電製品ではあまり聞いた事が無いですよね。

 

 この現場ですが、あちこちですすり泣く声も聞こえるのが特徴です。

一生懸命対応したものの、心無い言葉を浴びせられ、中には人格否定される方も多くいらっしゃいます。

 

 あくまで個人の感想ですが、物が中途半端に高価なだけに、本当のお金持ちというよりは成金のような人の方がめちゃくちゃな事を言ってくる気がします。

経験上、本当のお金持ちは穏やかな方が多いです。

 

 話は戻ります。

 コールセンターで一次対応でうまくいかず、私のような管理者へバトンタッチする事をエスカレーション(通称エスカレ)というのですが、そのエスカレもこの現場ならではの特徴があります。

 

 それはあまりにも酷い言葉と罵声を浴びさせれるため、オペレーターさんがパニックを起こすのです!

 

 管理者も担当の島があり、そこを中心に回って歩いたり、立ち止まって話を後ろから聞いたりするのですが、突然わめき出す人も出てきます。

 

 「もぉーーー。わたし無理ーーーーー。」と言い、ヘッドセット(ヘッドホン)を外し、泣きながら勝手に席を離れていくのです。

もちろんそうなると私は事情が分からないまま二次対応をしなければなりません。

話がどこまで進んでいるか、何に対してお怒りになったか、何も分からないまま対応しないといけないのです。

 

 これは極端な例ですが、これに近い事が続出する現場でした。

中にはオペレーターの女性がおもむろに会話を保留し、手を上げ私を呼びます。

 

 私「どうしました?」

  

 女性「あんた管理者だよね、こいつムカつくからあんたがやって!あんたの仕事だよね。」という人も現れます。

また、別な女性も「私が何したっていうんですか!」と私に切れてきます、、、。

 

 私はこれらの態度に対し、頭にはきますが、仕事なので職務を全うするしかありません。

もちろん私が対応したあとにも、そんな身勝手な性格の人ですからお礼も何もありません。

 

 時給が高いという理由だけで、応募される方も多いのがコールセンターです。

確かに普通のアルバイトに比べ、1.2倍以上の時給の仕事が多いです。

だから、中にはただただやり過ごせればいいというオペレーターさんがいるのも事実です。

 

 そこについて悪く言うつもりもありませんが、社会人としてマナーだけでも最低限は守って欲しいかとは正直思いました。

 

 こういったことばかりが続くリコール対応の現場でしたが働いている間に、エスカレで対応したお客様の3人に「お前、必ずぶっ殺す!!」と言われました。

中には私の家の住所を聞くまで電話を切らないという方もいました。

 

 殺すまでは言わなくとも、かなり辛辣な言葉責めやひたすら自分の意見のみを永遠にループする方も多く、クレーム対応の経験者の私でも解決策を見出すことに苦労苦労の連続でした。

 

 私は僅か1ヶ月半ほどで3回殺されました、、、。

 

 この現場が終わる頃、私に気持ちの変化が起こります。

最初はどうなるんだろうって不安な気持ちから始めた管理者。

変に何かと調子良く事が運んでいったため、当初ここで働きながら行う予定の就職活動も忘れ、「さぁ次は何かな。どんな現場かな。」などと思いながら生活していました。

 

 そう思っていた私でしたが、この惨状を見て身体の内側から強い気持ちが湧いてきます。 

 

 いやこのままではダメだ。

 

 やはり就職活動に本腰を入れようと。

 

 そしてこのコールセンターの終わりと同時に、次の派遣先は紹介してもらわず、あえて完全な無職となりました。

そうでもしないと自身を追い込めないと思ったからです。

 

 その考えが良かったのか、ただ単に運が良かったかは不明ですが、コールセンターを離れた1ヶ月半後に見事に就職先が決まります。

 

 内容は福岡の地場のホテルで、2館営業している会社なのですが、そこの支配人です。

 

 就職も無事決まり、たまに新しいコールセンターの仕事の電話をいただいていた派遣会社の担当者にもお世話になりましたという連絡をしました。

担当の方も「残念ですけど、おめでとうございます!」と言ってくれました。

 

 世の中に無くてはならないコールセンター。

対面せずに電話のみで対応するのは本当に大変な仕事です。

そこでまたひとつ良い経験をさせてもらいました。

 

 「コールセンターありがとう!

 

 本日も長い文章にお付き合いいただきありがとうございました!